V11 アタマの整理…クランクの位相について
どうもこんばんは。
先日のホーク11の試乗の後、Twitterのある投稿が目に留まりました。
YoutubeのV7のインプレ動画的なものに対しての投稿でした。
Youtubeの動画はV7をサーキットで試乗をしていて、運転しながら感想をしゃべるというよくあるパターンのやつで、動画の投稿者は「フィーリング的にはストリートツインよりW800に近い」と感想を述べられていました。
これに対して、Twitterで90°VツインのV7のフィーリングが360°クランクのW800に近いフィーリングってどういうこと?
ってツッコミが入っていたのです。
ツッコミ担当の人は90°Vツインとパラツイン360°クランクが同じなわけない、全然違う、こんな事言うなんて信じられない、的なことも書かれていました。
動画投稿した人のコメントも正直ちょっと雑な表現で、何またはどんな操作に対してどういった項目のフィーリングがW800に近いのかとか細かいことは全然説明していません。
まあ、”全体的な印象が”ってことだと思うけど、それにしてもちょっと大雑把すぎる感じは否めなくて、スロットル開けた瞬間のレスポンスとか、回転が上昇してく感じとか、トルクの出方とか、振動とかもう少し丁寧に表現すれば、と思う内容ではありました。
動画投稿者はストリートツインを所有しているとのこと。
これは恐らくトライアンフのストリートツインで、調べると270°クランクのパラツインのようです。
で、ストリートツインではなく、W800に似ているというのがまた興味深い訳です。
このTwitterと動画を見て思ったことは、たぶん、自分なんかは点火時期含めたクランク位相の違いなんて分からんのではないか?ということ。
パラツインのバイクってほとんど乗ったことがないしね。
そりゃ90°”縦置き”Vツインと360°クランクパラツインでクランクシャフト配置(横置き)に起因する違いは判ると思いますよ。
でも90°VツインがドカやVTRだったら、360°パラツインとブラインドテストで違いを当てられるのか?ってことです。
そして次に思ったのはそういえば2気筒のエンジンについて点火時期とクランクの位相のことってあまり理解していないなってこと。
ということで、よくある図なんですけど自分で描いてみました。
個人的アタマの整理です。
と思って図を描いてみたのですが、結局スッキリせず…
全然消化できませんでした(笑)
この先ほんとうにオチなど何もありませんので先にお知らせしておきます。
では逝ってみます。
■360°クランク
現行車ではカワサキのW800がこのタイプ。
直四の場合は乗車した状態でみて右端のシリンダが1番シリンダ。
2気筒の場合はどちらが1番シリンダなのか知らないのだけど、この記事ではひとまず直四と同じで右側を1番シリンダとして考えます。
グラフは上段を1番シリンダと考えて、排気上死点をクランク角0°として書いてあります。
1番シリンダについて0度からの最初の吸気行程でピストンが下がっているときに2番シリンダは燃焼(膨張)行程でピストンが下がっている。
1番シリンダに点火してから360°クランクが回った時点で2番シリンダが点火。その後、さらに360°クランクが回って1番シリンダが再び点火。
クランクが360°回転するたびに左右のシリンダが交互に点火する。
だから360°クランク。

■180°クランク
次は180°クランクでこれは採用している車種が結構多いみたい。
ホンダ CBR250RR、ヤマハ YZF-R25/R3、スズキ GSX250R、カワサキ Ninja650/400/250あたり。
これは2つのシリンダで各々のピストンが逆に動いている。
シリンダ1が角度0からの吸気行程でピストンが下降しているときにシリンダ2は排気行程でピストンが上昇していく。
シリンダ1の点火から180°遅れてシリンダ2が点火する。その後、さらにクランクが540°回転したタイミングで再度シリンダ1が点火。
180°+540°=720°=2回転。
このタイプは180°-540°点火とも言われるみたい。
見ての通り燃焼は不等間隔になります。

■270°クランク
そして270°クランクでこれはこの前試乗したホーク11の他にホンダ NC750、アフリカツイン、ヤマハ MT-07、BMW F750/850なんかが採用しているようです。
このタイプは燃焼間隔が90°2気筒Vツインと同じという説明がバイク雑誌とかWebの記事なんかによく出ています。
シリンダ1のピストンをシリンダ2のピストンが270°遅れて追いかけています。
シリンダ1が角度0で吸気行程が始まり、270°回転した時にシリンダ2が排気上死点に到達。ここからシリンダ2の吸気行程が始まります。
燃焼の間隔は270°-450°で180°クランクとは違うタイプの不等間隔の燃焼で、これが90°Vツインと同じという事みたいです。

同じような絵柄が3つ並べましたが、結局どう違うの?は↓あたりの記事が参考になるかと。
パラレルツインは「クランク角」で選ぶ!
二気筒エンジンが七変化した理由
-クランク角について-
ところで、このパターンで0°クランクとか90°クランクって聞かないですよね。
この理屈で言うと0°クランクは最初のグラフでシリンダ1とシリンダ2が同じタイミングで点火するパターンになると思うけど、市販車でこんなエンジンってあるのでしょうか?
これだとシングルのエンジンを単純に2基並べただけなので、これなら2気筒の意味無くて倍の排気量のシングルエンジンで良いということなんでしょうかね?
そして90°クランクも同じ理屈で言うと90°-630°の燃焼間隔ということになると思うのですが、これもあまり聞かないパターンです。
性能面で良いところがないという事なんでしょうね…

ここまでは雑誌やwebの記事でもよく解説されていて、一応は理解をしていたつもり。
って、間違ってないですよね?
間違っていたら指摘お願いします。
問題はここから。
いよいよ我らが90°Vツインエンジンの2つのシリンダの行程、点火のタイミングについてです。
もともとよく理解していたかった内容で、今回の記事を書きながら???となって、書いた後も全然スッキリしなかった内容になります。
単純に90°Vツインなのだから先の90°クランクと同じでしょ、と思っていました。これまでは。
特に深く考えずに、先ほどの90°クランクのグラフを描いてみたら90°-630°の点火タイミングってことになって、ん?っとなってしまったわけです。
90°Vツインって90°クランクと同じじゃないの? → 違うって事ですね…
ここで改めてモトグッチの縦置きVツインエンジンについて整理。
・エンジン運転状態で乗車状態で見たときに、クランクシャフトは反時計回りに回転している。
・シリンダのはさみ角が90°なので、先行するピストンをもう一方は90°遅れて追いかけることになる。
・クランクシャフトが左回転なので、右シリンダが上死点に来た時に、左シリンダはピストンが上昇中。
・ここからクランクが90°回転した時に左シリンダが上死点となる。この時、右シリンダのピストンは降下中。
Vバンクの角度が90°なのでピストンの位相差が90°は確定。
先ほどの90°の図を改めて見ながら考え直してい見ると、90°Vツインで270°-450°のタイミングで点火しているということは↓のようにならないと辻褄が合わなそうです。

うーん…
分かったような分からないような…
結局このグラフって、左シリンダを上に、右シリンダを下に、グラフの450°を0°として描くとパラツイン270°クランクと同じになるんですよね…
グラフの450°の位置で左シリンダが排気上死点となって、720°つまり270°後に右シリンダが排気上死点になっています。
左シリンダを基準としたときに右シリンダが270°遅れるって考えるのが正しいのかなぁ…
右シリンダ基準だと450°-270°点火って感じになってしまう気がします。
クランクはぐるぐる回っている訳でどっちでもいいというのが実際のところだと思いますけど…
どっちにしてもモトグッチの場合、左右のシリンダは↓の感じで動いているということのようです。
…
右シリンダが排気上死点となり、ピストンが下降開始、
↓
途中で左シリンダが圧縮上死点となり、燃焼、膨張 【この時右シリンダは吸気行程】
↓
270°回転したところで、右シリンダが燃焼 【この時左シリンダは排気行程】
↓
その後450°回転後に左シリンダが再び燃焼 【この時右シリンダは吸気行程】
↓
270°後に右シリンダが燃焼 【この時左シリンダは排気行程】
…
90°Vツインだけど、位相差は270°ということみたい。
ピストンの位置的には90°の位相差だけど、行程で考えると270°差ということであってますかね???
ちゃんと消化できていません…
とにかく90°Vツインと270°クランクのパラツインは同じ点火タイミングで動いていることは間違いないらしいのできっとこうなんでしょう。
最初の話に戻るけど、少し乗っただけで燃焼のタイミングに起因する違いがホントにわかるのかな?という疑問はますます強くなりました。
実際のエンジンはクランクウエブの重量やバランサーの有無、設定でその機種それぞれのキャラクターに合わせてチューニングされているのだろうしなぁ…
結局、何一つスッキリせず…すみません…
W800の試乗車探そうかな。
とりあえずこんな感じということで。

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先日のホーク11の試乗の後、Twitterのある投稿が目に留まりました。
YoutubeのV7のインプレ動画的なものに対しての投稿でした。
Youtubeの動画はV7をサーキットで試乗をしていて、運転しながら感想をしゃべるというよくあるパターンのやつで、動画の投稿者は「フィーリング的にはストリートツインよりW800に近い」と感想を述べられていました。
これに対して、Twitterで90°VツインのV7のフィーリングが360°クランクのW800に近いフィーリングってどういうこと?
ってツッコミが入っていたのです。
ツッコミ担当の人は90°Vツインとパラツイン360°クランクが同じなわけない、全然違う、こんな事言うなんて信じられない、的なことも書かれていました。
動画投稿した人のコメントも正直ちょっと雑な表現で、何またはどんな操作に対してどういった項目のフィーリングがW800に近いのかとか細かいことは全然説明していません。
まあ、”全体的な印象が”ってことだと思うけど、それにしてもちょっと大雑把すぎる感じは否めなくて、スロットル開けた瞬間のレスポンスとか、回転が上昇してく感じとか、トルクの出方とか、振動とかもう少し丁寧に表現すれば、と思う内容ではありました。
動画投稿者はストリートツインを所有しているとのこと。
これは恐らくトライアンフのストリートツインで、調べると270°クランクのパラツインのようです。
で、ストリートツインではなく、W800に似ているというのがまた興味深い訳です。
このTwitterと動画を見て思ったことは、たぶん、自分なんかは点火時期含めたクランク位相の違いなんて分からんのではないか?ということ。
パラツインのバイクってほとんど乗ったことがないしね。
そりゃ90°”縦置き”Vツインと360°クランクパラツインでクランクシャフト配置(横置き)に起因する違いは判ると思いますよ。
でも90°VツインがドカやVTRだったら、360°パラツインとブラインドテストで違いを当てられるのか?ってことです。
そして次に思ったのはそういえば2気筒のエンジンについて点火時期とクランクの位相のことってあまり理解していないなってこと。
ということで、よくある図なんですけど自分で描いてみました。
個人的アタマの整理です。
と思って図を描いてみたのですが、結局スッキリせず…
全然消化できませんでした(笑)
この先ほんとうにオチなど何もありませんので先にお知らせしておきます。
では逝ってみます。
■360°クランク
現行車ではカワサキのW800がこのタイプ。
直四の場合は乗車した状態でみて右端のシリンダが1番シリンダ。
2気筒の場合はどちらが1番シリンダなのか知らないのだけど、この記事ではひとまず直四と同じで右側を1番シリンダとして考えます。
グラフは上段を1番シリンダと考えて、排気上死点をクランク角0°として書いてあります。
1番シリンダについて0度からの最初の吸気行程でピストンが下がっているときに2番シリンダは燃焼(膨張)行程でピストンが下がっている。
1番シリンダに点火してから360°クランクが回った時点で2番シリンダが点火。その後、さらに360°クランクが回って1番シリンダが再び点火。
クランクが360°回転するたびに左右のシリンダが交互に点火する。
だから360°クランク。

■180°クランク
次は180°クランクでこれは採用している車種が結構多いみたい。
ホンダ CBR250RR、ヤマハ YZF-R25/R3、スズキ GSX250R、カワサキ Ninja650/400/250あたり。
これは2つのシリンダで各々のピストンが逆に動いている。
シリンダ1が角度0からの吸気行程でピストンが下降しているときにシリンダ2は排気行程でピストンが上昇していく。
シリンダ1の点火から180°遅れてシリンダ2が点火する。その後、さらにクランクが540°回転したタイミングで再度シリンダ1が点火。
180°+540°=720°=2回転。
このタイプは180°-540°点火とも言われるみたい。
見ての通り燃焼は不等間隔になります。

■270°クランク
そして270°クランクでこれはこの前試乗したホーク11の他にホンダ NC750、アフリカツイン、ヤマハ MT-07、BMW F750/850なんかが採用しているようです。
このタイプは燃焼間隔が90°2気筒Vツインと同じという説明がバイク雑誌とかWebの記事なんかによく出ています。
シリンダ1のピストンをシリンダ2のピストンが270°遅れて追いかけています。
シリンダ1が角度0で吸気行程が始まり、270°回転した時にシリンダ2が排気上死点に到達。ここからシリンダ2の吸気行程が始まります。
燃焼の間隔は270°-450°で180°クランクとは違うタイプの不等間隔の燃焼で、これが90°Vツインと同じという事みたいです。

同じような絵柄が3つ並べましたが、結局どう違うの?は↓あたりの記事が参考になるかと。
パラレルツインは「クランク角」で選ぶ!
二気筒エンジンが七変化した理由
-クランク角について-
ところで、このパターンで0°クランクとか90°クランクって聞かないですよね。
この理屈で言うと0°クランクは最初のグラフでシリンダ1とシリンダ2が同じタイミングで点火するパターンになると思うけど、市販車でこんなエンジンってあるのでしょうか?
これだとシングルのエンジンを単純に2基並べただけなので、これなら2気筒の意味無くて倍の排気量のシングルエンジンで良いということなんでしょうかね?
そして90°クランクも同じ理屈で言うと90°-630°の燃焼間隔ということになると思うのですが、これもあまり聞かないパターンです。
性能面で良いところがないという事なんでしょうね…

ここまでは雑誌やwebの記事でもよく解説されていて、一応は理解をしていたつもり。
って、間違ってないですよね?
間違っていたら指摘お願いします。
問題はここから。
いよいよ我らが90°Vツインエンジンの2つのシリンダの行程、点火のタイミングについてです。
もともとよく理解していたかった内容で、今回の記事を書きながら???となって、書いた後も全然スッキリしなかった内容になります。
単純に90°Vツインなのだから先の90°クランクと同じでしょ、と思っていました。これまでは。
特に深く考えずに、先ほどの90°クランクのグラフを描いてみたら90°-630°の点火タイミングってことになって、ん?っとなってしまったわけです。
90°Vツインって90°クランクと同じじゃないの? → 違うって事ですね…
ここで改めてモトグッチの縦置きVツインエンジンについて整理。
・エンジン運転状態で乗車状態で見たときに、クランクシャフトは反時計回りに回転している。
・シリンダのはさみ角が90°なので、先行するピストンをもう一方は90°遅れて追いかけることになる。
・クランクシャフトが左回転なので、右シリンダが上死点に来た時に、左シリンダはピストンが上昇中。
・ここからクランクが90°回転した時に左シリンダが上死点となる。この時、右シリンダのピストンは降下中。
Vバンクの角度が90°なのでピストンの位相差が90°は確定。
先ほどの90°の図を改めて見ながら考え直してい見ると、90°Vツインで270°-450°のタイミングで点火しているということは↓のようにならないと辻褄が合わなそうです。

うーん…
分かったような分からないような…
結局このグラフって、左シリンダを上に、右シリンダを下に、グラフの450°を0°として描くとパラツイン270°クランクと同じになるんですよね…
グラフの450°の位置で左シリンダが排気上死点となって、720°つまり270°後に右シリンダが排気上死点になっています。
左シリンダを基準としたときに右シリンダが270°遅れるって考えるのが正しいのかなぁ…
右シリンダ基準だと450°-270°点火って感じになってしまう気がします。
クランクはぐるぐる回っている訳でどっちでもいいというのが実際のところだと思いますけど…
どっちにしてもモトグッチの場合、左右のシリンダは↓の感じで動いているということのようです。
…
右シリンダが排気上死点となり、ピストンが下降開始、
↓
途中で左シリンダが圧縮上死点となり、燃焼、膨張 【この時右シリンダは吸気行程】
↓
270°回転したところで、右シリンダが燃焼 【この時左シリンダは排気行程】
↓
その後450°回転後に左シリンダが再び燃焼 【この時右シリンダは吸気行程】
↓
270°後に右シリンダが燃焼 【この時左シリンダは排気行程】
…
90°Vツインだけど、位相差は270°ということみたい。
ピストンの位置的には90°の位相差だけど、行程で考えると270°差ということであってますかね???
ちゃんと消化できていません…
とにかく90°Vツインと270°クランクのパラツインは同じ点火タイミングで動いていることは間違いないらしいのできっとこうなんでしょう。
最初の話に戻るけど、少し乗っただけで燃焼のタイミングに起因する違いがホントにわかるのかな?という疑問はますます強くなりました。
実際のエンジンはクランクウエブの重量やバランサーの有無、設定でその機種それぞれのキャラクターに合わせてチューニングされているのだろうしなぁ…
結局、何一つスッキリせず…すみません…
W800の試乗車探そうかな。
とりあえずこんな感じということで。

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