KSR キャブレターセッティングと点火タイミングの見直し

    どうもこんばんは。



    今回もKSRの話です。


    ちょっと時間遡って、海の日絡みの3連休の話から。
    何年も単身赴任を続けていて子供たちも大きくなってくるとせっかく自宅に戻っても誰からも歓迎されず、何しに来たんだ的な空気が漂います。
    ならばということで別宅でダラダラと過ごすことにしました。

    初日は久しぶりにNobhillさんところに顔を出して暫し世間話など。
    相変わらず旨いっす。
    IMG_20220716_132445.jpg

    2日目。せっかくまとまった時間が出来たので以前から気になっていたことを試します。
    お題はこの前のジムカーナの課題の記事でリストアップした中の⑥と⑦の話。

     ①速い人は何がどうなっているのか意味不明なんですがとにかく速い
     ②(今のところ)転ぶときは毎回同じ転び方をしている 
     ③コースを覚えるのがメチャメチャ大変
     ④ハンドルフルロックでの8の字や回転が出来ない
     ⑤バイクをバンクさせられない
     ⑥加速が遅い
     ⑦ストレートのトップスピードが遅い
     ⑧旋回速度が遅い
     ⑨倒しこみと切り返しが遅い
     ⑩どこをどう走ればよいかわからない
     ⑪ブレーキングポイントと倒しこみのポイントが安定しない

     ・・・

    タイム競う競技でストレートが遅いというのは致命的です。
    もちろん、コーナーからの立ち上がりでどこからアクセル開けているか?の問題はありますが、ここでは各種設定がベストに近いところまで追い込めているか?という話。
    当然、80㏄なりの話ではありますが、現状がベストなのか?もっと速くなる可能性はないのか?ということです。
    ぶっちゃけ、今の状態はそんなに悪いとは思ってないのですが今後のこともあるので再確認をしておきます。

    関連する項目はキャブレターとそのセッティング、チャンバー、CDI及び点火時期、ギヤ比(F/Rスプロケ)、タイヤサイズあたりですかね。

    チャンバー、F/Rのスプロケ、タイヤサイズは当面、現在の設定で行く予定なので、一旦固定です。
    なので、今回はキャブレター関係と点火時期についての見直しになります。
    ちなみにKSR2で定番のエアクリーナボックスの吸気口の加工と遮蔽板撤去は実施済、キャブレターは現在SUS441製のVM19.5φ+α加工キャブに変更しています。


    さて、ここからがセッティング。

    まずはちょっとおさらい。
    現在のセッティングはVM19.5φキャブを導入した時に決めたものがベースになっています。

    ・VM19.5投入時
        MJ:#105
        JN:3FL17(KSR2 B4-B6純正)
        JNクリップ位置 :上から2段目
        PJ1:#27.5
        PJ2:#50
        PS:1・1/2戻し

    その後、今年の1月頃、開け始めが薄く失速する感じがしてJNのクリップ位置を変更してます。
    ・2022/1時点
        MJ:#105
        JN:3FL17(KSR2 B4-B6純正)
        JNクリップ位置 :上から3段目
        PJ1:#27.5
        PJ2:#50
        PS:1・1/2戻し

    この時は一回目の調整でクリップ位置を1つ下げたらそこそこよくなった感があったのでそれ以上の追及をせずに今に至ってました。
    従って、ここを今回のスタートにします。
    クリップ位置をさらに下げてよりよくならないか?の確認ですね。
    ということで、クリップを一をもう一段下げて上から4段目から始めました。


    キャブレターセッティング
    ■パターン1  2022/7/17
    ・狙い
    1月の続きでさらにクリップ位置を下げて濃くしてみる。

    ・セッティング
     MJ:#105
     JN:3FL17-4(KSR2 B4-B6純正)
     JNクリップ位置 :上から4段目
     PJ1:#27.5
     PJ2:#50
     PS:1・1/2戻し
    ・結果
     ×
    開度1/4~1/2、5000~6000rpmで濃い印象。ブペブペいってきれいに吹けない。
    6000rpmからは普通にきれいに吹ける。その手前が引っかかる感じなので乗りにくい。
    一方で開度1/2以上が元気になった印象。

    ■パターン2 2022/7/17
    ・狙い
    JNクリップ位置4段目では濃くなりすぎるとようなので、薄くする方法を考えるます。
    JNをKSR2 B4/B5B6純正の3FL17からKSR1の3DJ4クリップ位置上から4段目にトライ。
    ミクニキャブのJNについてXJ900の爽快チューンの吉村さんのWebサイトに型式の見方が乗っています。
    KSR2B4-B6のJNは3FK17-4という型番ですが、最初の3は全長3㎝台のニードルということを示します。
    次のFLはテーパー角を示して、アルファベット2文字なので2段テーパーとなります。
    テーパー角はFが1'30″、Lが3'なんだそうです。
    テーパーが始まる位置は型式からではわかりません。
    ここで、開度1/4~1/2が濃い感じだったのでチョイ薄くするためにKSR1純正のニードルを試します。
    これは3DJ4-4ということで2段テーパなんですが、それぞれDのテーパー角1'00″、Jが2'30″ということで角度が小さくなるので、同じ開度であれば薄くなるはず。

    ・セッティング
     MJ:#105
     JN:3DJ4-4(KSR1純正)
     JNクリップ位置 :上から4段目
     PJ1:#27.5
     PJ2:#50
     PS:1・1/2戻し
    ・結果 → ×
    結果はあえなく敗退。
    4000-5000rpmは少し改善して許容レベルの気がしますが、5000~6000rpmのぼこぼこ感はイマイチ。

    ■パターン3 2022/7/17
    ・狙い
    3DJ4-4の針でクリップ位置3段目にします。
    更に薄くなるはず。

    ・セッティング
     MJ:#105
     JN:3DJ4-4(KSR1純正)
     JNクリップ位置 :上から3段目
     PJ1:#27.5
     PJ2:#50
     PS:1・1/2戻し
    ・結果
     ×
    ダメでした。
    5000~6000rpmのぼこぼこ感はわずかに改善しましたが、1/2以上の開度で明らかに元気がなくなりました。
    ジェットニードルは3FL17がいいみたいです。

    この日はここで一旦打ち切り。
    一週空けてこの前の土曜日に改めて続きをやってみました。

    ■パターン4 2022/7/30
    ・狙い
    ニードルを3FL17/上から4段目 に戻してMJの番手を下げることで開度1/4~1/2の5000~6000rpmの濃い現象が改善しないか?を試します。
    ここでなぜかMJの#100が無い…
    失くした?仕方ないので#95で試しましたが、さすがに一気に#10番小さくするのは緊張しました。
    焼き付いたりしたらシャレになりません。

    ・セッティング
     MJ:#95
     JN:3FL17-4(KSR2B4-B5純正)
     JNクリップ位置 :上から4段目
     PJ1:#27.5
     PJ2:#50
     PS:1・1/2戻し
    ・結果
     ×
    もう全然ダメでした。
    狙ったとこは多少は薄くなった感じですが、それ以上に1/2以上の開度で全然力が無く、問題外。
    焼き付きが怖かったので、すぐに元に戻してしまいました。
    この感じなら多分#100よりも#105の方がよいです。


    今回いくつかのパーターンを試しましたが、結局、最初のセッティングが一番バランスが良いようです。
    今回の最終状態。

      MJ:#105
      JN:3FL17(KSR2 B4-B6純正)
      JNクリップ位置 :上から3段目
      PJ1:#27.5
      PJ2:#50
      PS:1・1/2戻し


    結局元に戻りました(笑)。
    今回針の設定を変えて改めて気が付いた開度1/4~1/2の4000~6000rpmのボコボコする現象も現状はまあまあ合格レベルなので、キャブセッティングとしてはそこそこだったということですかね。
    手持ちのセッティングパーツはもう少しありますが、これ以上深追いするのは一旦止めておきます。
    とにかく、キャブセッティングの状況をきちんと確認できたことは収穫でした。


    点火時期セッティング
    普通はここまでで終了ですが、実はまだこの先があります。
    それは点火時期を変えられる秘密兵器を持っているということ。
    これまでは自作CDIの点火時期は随分前に暫定的に決めたものを使っていました。
    ピックアップの回路を確定(あくまでも現状の最終ということね)したのでいよいよセッティングに入ります。

    点火時期のセッティングは燃調以上に不慣れで経験ないのでひたすら手探りです。
    それに加えておかしなセッティングをすると一発でエンジン壊しそうなのがシビれるところですが、思い切ってパンドラの箱を開けにいきます。

    点火時期についてネット上の情報でお勉強する限りは
     ・ATDC10°でピストンを押し下げる圧力が最大になるようなタイミングで点火する
     ・2ストロークエンジンの場合はパワーバンド以降はガッツリ遅角させる
    ということに尽きるようです。

    それからもう一つ。
    2ストロークエンジンの出力特性はポートタイミングとチャンバーで決まるということらしく、
     4000-6000rpmできれいに吹けない
     6000rpm以降はパーンって感じで一気に吹ける
    ってことは4000-6000rpm以下では反射波のタイミングが合っていなくて、充填効率が上がらない領域、6000rpm以降がパワーバンドってことなんだと思います。
    多分、この上手く吹けない領域を排気デバイスを使用してポートタイミングを変えるというのが80年代半ば以降の2ストロークエンジンなんだと思います。
    だがしかし。当然のことながらKSRにそんなものはありません。
    ので、この領域を適当セッティングから少しだけ進角させてみることにしました。
    進角するか遅角するかちょっと条件振ってみるって感じですね。
    設定はこんな感じにしました。

    cdi.jpg

    一応、自作CDIにはマップ切替機能なんてものも実装してまして、スイッチで2種類のマップを切り替えられるようにしてあります。
    青い線がMAP1で、こちらが今まで使っていた適当セッティングです。
    サービスマニュアルにある18.5°@1350rpm/21°@3000rpmという情報と、パワーバンド以降は遅角させるという話をベースに市販のCDIと体感で比較しながら決めたもの。
    これに対して赤い線のMAP0が4000-6000rpmを少し進角させてたマップ。
    ひとまずこれで走ってみました。


    ん-・・・
    50㎞程マップを切り替えながら走った感じではちょっと良くなったような気もします。
    5000-6000rpmの吹け方がスムーズになったような…
    そして6000rpm以降からの盛り上がっていく領域とのつながりがよくなったような印象があります…
    ただ、5000-6000rpmがパワフルか?というと何とも言えないです…

    今までのジムカーナの練習会ではスッと全開にしたときにフロントに体重を載せる動作が遅れるとウイリーしてヒヤッとすることが何度もあったのですが、この設定だとフロントのリフトをそこまで気にしなくてよさそうな気がします。

    5000-6000rpmがスムーズになったのか6000-7000rpmの力が落ちたのか…
    これはもう少し走りながら比較してみた方がよいかなぁ…
    開けやすさではMAP0なので、コッチが速いのかな…



    戦い済んで日が暮れて、って感じです。
    夕方、北茨城のいつものテストコースのいつものコンビニで一休み。
    IMG_20220730_184007.jpg

    PICマイコンの勉強から始めて10年以上経って、ようやくやりたかったことが出来るようになりました。
    随分時間がかかりましたが、そこそこきちんとしたキャブセッティングをしたうえで、点火時期変えるとエンジンの回り方が変わることを体感することができました。
    ようやくスタート地点に立てたような気がします。大進歩ですわ。
    ベストセッティングにはまだまだ程遠いのでしょうが、少し光が見えた気がしました。

    こうなると3FL17/クリップ4段目で点火時期変えたらいいところあるのか?ってことが気になってきます。
    この感じで詰めてみましょうかね。


    とりあえずこんな感じということで。


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