海外通販でのバイク部品購入時の関税、消費税について

    先日、仕事中に奥様よりLINEで連絡がありました。
    「何かわからないものが国際郵便で届いたけど1400円請求された。仕方ないから払ったけど、これはなんだ?」
    という内容。
    当然ちょっと不機嫌っぽい文面でした。まあ、そうよね。

    クランク角センサー以外思い当たるものは無いのですが、追加で費用を払わないといけないという理解がありませんでした。
    「もしかしたら国内分の送料が入っていなかったのかも」ととりあえず回答。

    週末帰宅して確認すると、消費税と通関手数料だったことが判明しました。
    ところが、税関で発行された書類を見ても、計算方法が理解できず、なぜその金額の請求となったのかわかりません。
    そこで、少し調べてみることにしました。

    ということで、主に税関のHPを見まくって調べた結果をまとめてみました。
    もちろん、100%完璧である保証はないので、参考程度としてください。
    誤りがあればご指摘いただければ修正します。



    1.海外からバイク関連の品物を個人輸入した時に発生する費用
    まずは、海外通販を利用して個人輸入すると発生するお金をリストアップしてみます。
     (1)部品代
       当たり前ですね。今回の場合はクレジットカードで購入しました。USドルでの決済です。
     (2)輸送費
       アメリカから日本の自宅までの輸送の費用で、こちらもドル建てです。
     (3)税金(現地)
       欧州などからの輸入ではVAT(付加価値税)とよばれる税金が発生します。
       今回税金は0となっていました。
     (4)関税
       日本での通関時に発生。輸入する品目ごとに税率が定められています。
     (5)消費税
       輸入品にも消費税がかかります。例外があり、消費税なしというケースがあります。
     (6)通関手数料
       税関を通すのもお金が必要ということですね。

    (1)、(2)と(3)は購入時に金額が決定します。
    通関時に(4)、(5)金額が決まり、(6)と合わせて、自宅到着時に請求された費用となります。



    2.今回の部品代と関税、消費税の金額
    今回、掛かった費用は次のようになります

    2.1 部品代
    MG Cycleでの購入金額と送料は次の通りです。Invoiceの内容です。   
     DescriptionQ'tyPrice
     phase senssr 1 $222.72
     phase sensor oring  1 $3.28
     shim, rocker arm, bronze thrust washer8$30.32
      Subtotal-$256.32

       Shipping                                                                                                                 $38.25
       Total                                                                                                                     $294.57

     2.2関税、消費税                                                              
    「横浜税関 川崎外郵出張所長」が発行したの「国際郵便物課税通知書」の内容となります。
    書類の主だった記載内容を書き出してみます。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
     告知書品名  PARTS FOR ANTIQUE  MOTERCYCLE
     品名     CUSTOMS DUTY FREE GOODS
     統計品目番号 9A
     (税表番号)   (FREE)
      
    税目価格(¥)税率税額(¥)
    関税17,023基本 FREE0
    消費税17,0236.30%1071
    地方消費税1,00017/63269

     消費税・地方消費税 計                                                                                       1200円 
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------

    関税、消費税は合計1200円となっていて、通関手数料200円を加えた1400円が請求金額でした。

    2.3 購入代金、送料、税金総額
    1$=110円で計算すると以下のようになります。

     部品代   28195円 ($256.32)
     送料      4207円 ($38.25)
     計        32402円 ($294.57)
     消費税     1200円
     通関手数料   200円
     税金計      1400円
     総計     33802円


    3.疑問点
    32000円超の買い物で消費税1200円ですよ。
    8%なら2500円越えると思うんですけど。
    と、いうことで、詳しく知りたくなってしまいました。

    2.2の税関の書類を転記した表でわからないことは
     ・価格が17023円となっているけど、どうやって計算しているの?
     ・関税がFREEだが理由は?
     ・消費税・地方消費税がかかっているが税率、算出方法は?
    などなどです。

    今回、ちょっと頑張って金額をトレースしてみますよ。

    4. 個人輸入/関税のアウトライン
    計算前に少し仕組みを整理してみました。
    海外外から品物を購入した時には関税や消費税が掛かることはなんとなく知っていますよね。
    改めて調べてみると関税を決める要素は次の3つになるようです。

     1) 目的は何か?   → 個人が自分で使用するために使うものか?
                 または企業活動のための仕入れか、などがあるかと思います。
     2) 何を購入したか?  →  これで税率がきまります。品物によっては無税だったりします。
     3) いくらか?    → 基本的に 円貨での価格x税率=税額 です。
                 もちろん、為替レートも影響します。

    1)については今回は自分で使うものなので、個人輸入となります。
    個人輸入の場合は3)で税金を算定するための”円貨での価格”と書いたところが変わってきます(後述)。


    ちなみに
    個人輸入の定義についてははっきりした定義はないようです。
      
    http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kojin/3001_jr.htm
     
    個人輸入の通関手続きはこちらのページにあります。
      
    http://www.customs.go.jp/tokyo/zei/i_sodan1_3.htm

    2)は自動車や電気製品など日本国内の産業が競争力があるものは無税だったり、税率が低かったりします。
    逆に牛肉などは税率が高いですよね。後述しますが、今回のバイク用の部品は無税となります。

    3)の計算は「円貨での価格」は「課税価格」という言葉が正確な表現となります。
    商品の代金から円貨に換算し、課税価格を計算する流れとなります。
    さらに、「課税価格」は1)で書いたように個人輸入かそうでないかで算出方法が変わってきます。
    また「課税価格」を算出する元となる商品代金の価格に応じて、関税のかかり方も変わります。
    簡単にいうと少額の場合は関税は免除されたり、簡易税率で算出されたりします。(少額でも課税される場合もあります)。

    以上がアウトラインです。
    次にもう少し詳しく見てみます。


    5. 課税価格
    では、「課税価格」とは何か?ということになりますよね。
    税関の少額輸入貨物の簡易税率というページに課税価格について触れられています。
      http://www.customs.go.jp/tsukan/kanizeiritsu.htm


    キャプチャが上手くできていないですが、ご容赦ください。要点を書き出します。

     ・課税価格の合計が20万円以下の場合は簡易税率が適用される
      20万円より高い場合は正規の税率となる
     ・課税価格が1万円以下の場合は原則として関税、消費税・地方消費税は免除
     ・個人が個人使用の目的で輸入する場合は海外小売り価格に0.6を掛けた金額が課税価格となる 
      その他の貨物(つまり個人使用でない貨物)の課税価格は商品価格+運送料+保険料となる
     ・関税とは別に消費税・地方消費税がかかる


    簡易税率
    簡易税率表


    つまり、課税価格は↓の感じになるようです。
     パターン 課税価格(*1) 関税 消費税 通関手数料
     パターン1 10000円以下 なし なし なし
     パターン2 10000円以上 200000円以下 簡易税率 あり あり
     パターン3 200000円以上 一般税率 あり あり

     *1 課税価格
       個人輸入の場合   課税価格 = 海外小売り価格 x 0.6
       個人輸入以外    課税価格 = 商品金額 + 輸送料 + 保険料


    今回のケースでは課税価格は購入額$256.32の60%となり、Shippingの$38.25は含まれないことが確認できました。


    6. 為替レート
    次に為替レートです。
    同じように税関のHPをたどっていくと下記のページを見つけました。
    赤線の記述によると「通関の前々週の平均値」とあります。
    ここでちょっと疑問が。通関は7/18です。最初オレンジの丸印を付けた7月1日~7月7日のリンク先のレートかと思いましたが、どうやら違うようで、赤丸の通関日を含むリンク先のレートで計算されているようです。
    ちなみに1$=110.69円でした。



    為替1  



    7. 課税価格と関税/消費税の算出
    7.1 課税課価格の計算
    ここまで調べた結果から課税価格は次のような計算になります。

     商品代金(送料含まず)   為替レート  個人使用の軽減分      課税価格
     256.32        x  110.69       0.6    x  = 17023.24

    ふ~~~ やっと計算できました。


    7.2 関税
    頑張って調べましたが、実は関税がFREEとなっている理由がわかりませんでした。
    考えられる判定は次のの二つがあると思います。
     1) 課税価格が20万円以下→簡易税率から「ゴム、紙、陶磁製品、鉄銅製品、すず製品」で無税
     2) 課税価格の判定とは関係なく、そもそも関税が掛かる品目ではないから

    実行税率表のページ
    をみると第17部が「車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品」となっています。
    この中で第87類が「鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び付属品」と規定されていて、バイクの部品はここに分類されると思われます。
    第87類の
    税率を見てみると以下のようになっていました。

      ・H.S.Code(統計番号)87.11項がモーターサイクル(他も含む)
      ・87.14項が87.11項の車両用、つまりモーターサイクルの部分品となっている
      ・車両自体も「フレーム」、「サドル」とか「その他のもの」まで片っ端から無税

    ま、とにかく1)か2)の理由で関税は無税。
    おそらく2)の理由でFREEのとなっていると思っています。

    どうでもいいけど「戦車その他の装甲車両(自走式のものに限るものとし、武器を装備しているかいないかを問わない。)及びその部分品 」は基本関税率12.8%となっていて、87類の中で課税対象はこれだけ。

    7.3 消費税の計算
    消費税は普通に考えると 17023円 x 8% = 1361.84円 とも思うのですが、実際は1200円です。
    この計算は
    こちらの例から↓と理解。

    消費税8%は国税分6.3%と地方税分1.7%に分かれており、それぞれで計算することになります。
     ・消費税を計算するために課税価格の1000円未満切捨てた金額に0.063を掛けて消費税(国税分)を計算
     ・計算結果の100円未満を切捨ててた金額が消費税(国税分)となる
     ・地方消費税分は消費税(国税分)に17/63を掛けて、100円未満を切捨てた金額となる
     ・最後に消費税(国税分)と地方消費税を合算

    実際の計算はこう↓です。

      課税価格    :17023円
      消費税課税標準額:17000円(1000円未満切捨)          
      消費税(国税分)  : 17000円 x 6.3% 1072.4円 → 1000円(100円未満切捨て)
      地方消費税   : 1000円 x 17/63 =
    269.8円 →  200円(100円未満切捨て)
      消費税     : 1200円

    ちなみに 地方消費税の計算が課税価格x1.7%でない理由はわかりません。
    小銭の支払いが大変で切捨ての操作があるからなんでしょうか?
    財務省かどこかの頭の良い人が考えたのでしょうが、よくわからないですね。
    Excelの関数で言うと
      ROUND(17023,-3) x 0.063 x 17/63
    のイメージですかね。
    まあ、どうでもいいか。

    これで、ようやく消費税の計算ができました。
    ちょっとすっきり。


    8. まとめ
    改めて調べてみると全然理解してないことを痛感。
    8%が国と地方に分かれて納められているっていうのも知りませんでした(汗)
    たぶん消費税が3%で始まる前はそれなりに報道されていたんでしょうけど…

    あとは今回の調査の途中で知ったのですが、個人使用の場合のみ0.6掛けで軽減されるんですね。
    (ただし、0.6の数字の根拠はわかりませんでした)
    この0.6掛けルールは身内へのプレゼントなどで輸入する場合でも無しになるようです(個人使用と認められない)。
    つまり、クランク角センサーを5個とか輸入すると商業目的とみなされて、0.6掛けなしの送料加算で計算されることがあるようです。
    友人との共同購入なんかでは間違いなく0.6掛けなしでしょうね。
    そういう意味で個人輸入の対義語も調べたのですが、こちらもよくわかりませんでした。
    商業輸入という言葉を使っているサイトがありましたが、正しいのでしょうか?


    それから課税価格が一万円以下の免税適用についてです。
      
    http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1006_jr.htm
      
    http://www.customs.go.jp/tokyo/zei/i_sodan1_7.htm
       
    いくつかのサイトで16666円以下が無税となっていましたが、これは16666円分を購入して0.6掛けルールを適用すると課税価格が10000円になるという意味のようです。(16666円 x 0.6 = 9999.6円)

    あとは課税価格の計算についてサイトによって「送料を含む」とある場合と、「含まない」となっている場合がありました。
    これはそのサイトがネットショッピングの指南として書かれている場合は前者、純粋に個人使用目的の輸入の説明の場合は後者となっているようですね。
    この辺りも最後の方になってようやく理解できました。


    結構複雑で疲れましたが、いろいろ面白い調査でした。
    仕組みを知るのは大切ですね。


    とりあえずこんな感じということで。
    関連記事

    コメント

    非公開コメント