KSR 自作CDIの迷走と迷いと吹っ切った話

    どうもこんばんは。


    2年周期くらいでの更新になってるKSRの自作CDIの話。
    いつからやっているのか既に本人もさっぱり覚えていないほどで、牛歩どころかカタツムリ並みの開発スピードなんですが、いまだに細々と続いています。


    そもそもなぜこんなにてこずっているのか?というと、KSR1/2っていわゆる
    フライホイールの突起とか
    6601_LRG.jpg

    パルサーローター
    l549824224.jpg

    というものがなく、点火タイミングの基準となるピックアップ信号がないから。
    つまり、運転中のエンジンのクランクシャフトの位置(位相)を知る術がないのです。

    純正CDIはエキサイタコイルで発生するコンデンサの充電用のパルスの立ち上がり波形をもとに点火タイミングを決めているようなのですが、プラスチックで封止されていて詳細調べられていません。
    長らくこの充電用のパルスを分圧してその立ち上がりエッジを基準位置(=ピックアップ信号)として使う方法で何とかしようとしていたのですが、今回、というか2年くらい前にめでたく諦めることを決断ました。


    KSR1/2の点火時期はBTDC18.5°@1350rpm~21.0°@3000rpmで点火時期確認用のタイミングマークはBDTC21°の位置にあります。
    例えば自作CDIで10000rpmまでBTDC21°に設定したらずっと21°で点火&タイミングマークが止まって見えていてほしいのですが、実際はどんどん進角してしまいます。
    これは件のパルスの立ち上がり位置が回転数の上昇とともに早くなってしまっていることが原因と推定しています。
    要するに回転数によって立ち上がりエッジの位置が変わってしまうためクランクシャフトの位置を正しく判定出来なかったのです。

    実はCDIのプログラムについては骨格部分はすごく単純です。
    基準位置の信号が入力されたら、その時の回転数からクランクが上死点前の所望の点火タイミングまで進む時間を算出してタイマーをセット。時間が来たらサイリスタのゲートに接続してあるポートをオンにするだけです。
    細かいことにこだわればいろいろありますが、ぶっちゃけこれだけ。

    CDIのキモは基準パルスの品質なんです。
    キックスタート時の低い回転数から吹け切るまでまで確実に決まった位置でパルスを発生させる必要があるのです。


    結局、どうしたの?って話ですが、これまた試行錯誤してまして。

     ①磁石+ホールセンサ
     ②フライホイールのマーキング+フォトリフレクタ

    の2パターンをトライしています。


    ホールセンサ+磁石方式ではフライホイールにワイヤリング用のワイヤでダイソー磁石を括り付けてエポキシボンドで補強、
    IMG_20200620_102216.jpg

    ホールセンサをカバー内側に接着。
    IMG_20211024_094305_20220601204645cb9.jpg

    IMG_20211024_094421.jpg

    これで磁石がセンサの前を通過したタイミングで信号が発生するのでクランクの位置がわかります。
    CDI的にはこれできちんとクランクの位置を知ることが出来るようになり、期待通りの動作をするようになりました。
    但し、この磁石の取り付けは方法は流石にちょっと気が引けるものがありました。
    実際、ジムカーナの練習会でエンジンガンガン回していたらワイヤーが千切れて磁石の位置がずれてエンジン止まってしました。
    遠心力のすごさを実感すると同時にこのやり方ではイカンということを心の底から理解。
    当然ですが良識ある大人はマネをしてはいけません。


    次に試したのはフライホイールに赤外線を反射させる/させないように細工をしてフォトリフレクタで反射してくる赤外線を検出する方法です。
    最初は黒いテープとアルミテープを使いました。黒テープとアルミテープの反射率の差を利用する作戦です。
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    フォトリフレクタはこんな感じでカバーに固定。
    このセンサでアルミテープを検出します。
    IMG_20211024_155135.jpg


    目論見通りエンジンの始動には成功したものの、5分も走るとエンジンの熱でテープの粘着剤が柔らかくなるらしく、テープはあえなく剥がれ、エンジン停止。
    接着剤で貼ってみても、しばらくするとやっぱり剥がれてしまい結局エンジン停止。


    最後はアタマにきてフライホイールを塗装してしまいました。
    これが今年の1月頃の話。
    IMG_20220123_100305.jpg

    IMG_20220123_100321.jpg

    IMG_20220123_101630.jpg


    白ペイント部で反射してくる赤外線を検出、センサ出力がHiになり、艶消し黒ペイント部では赤外線の反射が弱いので、センサの出力はLowってことでめでたく安定したパルスを出力できるようになっています。
    すでにジムカーナの練習会を何度か走っており、今のところは大丈夫っぽい感じ。


    本当のところは随分前からホールセンサなりフォトリフレクタなりへの移行を考えていたのですが、中々踏み切れませんでした。
    これらの方法ではセンサをクランクケースに固定せず、フライホイールのカバーに取り付けるため、
     (1)カバーを取り付けた状態でないとエンジンがかからない
     (2)カバーの取り付け位置がずれるとセンサの位置が変わって点火時期も変わってしまう。
     (3)転倒時、エンジン始動不能になる可能性が高くなる
     (4)点火時期の確認がしにくい
    という4重苦を抱えこむことになるからです。
    (4)はカバーに点火時期チェック用の穴を開けたので点火時期自体は見えるのですが、防水の面で不安が残ってます。
    どれも結構面倒な問題ですよね。

    機械加工とか得意な人からすればどうにかなるのでしょうが、自分の能力ではかなりハードルが高い。
    そうは言っても正確なピックアップ信号で点火時期をコントロールしたい欲求により今回のシステム変更に踏み切っちゃいました。



    ちなみにKSRのフライホイールは一周360°で約355㎜。
    BTDC135°とBBDC135°の位置でおよそ10°、15°分の長さで白ペイントを塗っています。
    なぜ白ペイントの幅を変えているか?というと、ピストンの上昇(吸気・圧縮)行程と下降(燃焼・排気)行程を判別するため。
    たいていの2ストの点火はBTDCx°とその180°後、つまりBBDCx°の2回点火していることが多いと思います。
    KSRもノーマルはこのタイプ。
    自分のCDIはここで俗に捨て火と言われる下死点前の点火をやめてその分の電力をコンデンサにチャージするようにしています。


    点火能力が増強されているかは何とも言えませんが、理屈的には条件の悪い場合でも失火することが少なくなっているんじゃないかな~と思っています。



    これまで回転数によってどんどん変わってしまう点火時期を回路やプログラムで補正しようとしてきましたが、やっぱり入力信号自体がちゃんとしているのとそうでないのでは大違いです。
    パット見補正して上手くいっているように見えてもやっぱりごまかしている分スッキリ感はなかったので。

    これでもう一度点火時期のセッティングを詰めてみようと思っています。
    ブログの更新が止まっているときはこんなのをチマチマやっていると思ってください。
    センサの取り付けについては継続検討です・・・


    とりあえずこんな感じということで。



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