KSR 全波整流化 ステータコイルの加工
梅雨が明けたらやっぱり暑いですねぇ。
ここしばらく進めていたKSRの全波整流化が完成したので記録に残しておこうと思います。
KSRの全波整流化はすでにたくさんの記事がアップされています。
今更感もありますが備忘録として写真多めでやってみます。
まず、そもそもなぜ全波整流化するか?という点から整理します。
ぶっちゃけ全波整流化で発電量を増やしたいわけなんですが、最大の目的は暗いヘッドライトを何とかしたいということですね。
あとはUSBの電源ポートを使いたいっていう感じですかね。
ヘッドライトの光量アップはすべてのKSR乗りの悲願といっても良いでしょう。
USB電源は無理に全波整流しなくても使えるのかもしれませんが…
ちなみにノーマルのKSRはヘッドライト、メータ照明、テールライトは発電機からの交流電圧で光っています。
ウインカー、ブレーキランプ、ニュートラルランプ、オイル警告灯、水温警告灯の電源は直流なんですが、この直流は発電機のライティング系とは別の出力(充電系=チャージング系)をレクチファイヤで整流し、バッテリで12Vにレギュレートすることで得ています。
レクチファイヤの出力はバッテリが無いと17V近くまで上がるらしいのですが、これをバッテリで12Vに安定化させているのでバッテリの負担が大きく、死亡しやすいわけです。
バッテリ死亡状態で社外のタコメータなど12Vの電装品を装着するとすぐに壊れるというのは電装品に17Vが掛かるからです。
KSR1/2が最後までメンテナンスフリーのバッテリーを採用しなかった(できなかった)のはこの構成によるものと思われます。
さすがにカワサキもユーザーに対して申し訳ないと思ったのかどうなのか、対策レギュレータなるものをリリースしていました。
ワタクシのKSR2は?といいますと、昔ボルトンというショップから発売されていたレギュレータを取り付けた上で、メンテナンスフリーバッテリーに交換しています。
この辺りは以前記事に書いたかもしれません。
結局、ボルトンのレギュレータで充電電圧は13V程度で安定するようになりましたが、充電系は半波整流のままでライティング系は交流のままとなっています。
ヘッドライトを明るくしようと思ったとき最近ではLEDバルブへ交換することが一般的と思いますが、交流電源に対応したLEDバルブはえらい高価で選択肢も少ないんです。
最近ツーリングマシンとして運用しているので明るいヘッドライトとスマホの充電機能があると嬉しいよねってことで全波整流化をやってみることにしました…
というのは表向きの理由で本当はただやってみたかったから。
それだけですw
いつもの通り前置き長くてすみません。
作戦は以下。
1.ステータコイルは車体についているやつを加工する
2.格安で流通している中華全波整流用のレギュレータを購入する
3.メインハーネスはオークションで購入した中古品を全波整流用に改造する
ステータコイルの加工も上手くやればノーマルに戻せるのかもしれませんが、基本ノーマル戻しは考えないつもりです。
ノーマルに戻さないのであればメインハーネスも車体についているのを加工してもいいのですが、不動期間を極力少なくするためにハーネスは加工したものを準備して車体にフィッティングさせることにしました。
方針が決まったのでさっそく作業に取り掛かります。
ここからは作業の流れにそって書きますが、今回はまずはステータコイルの加工までとします。
1 フライホイールとステータコイルの取り外し
今回の一連の作業の中で一番面倒なのがフライホイールを外してステータコイルを取り出すところかもしれません。
まずは14㎜のレンチと回り止めのユニバーサルホルダを使ってフライホイールのロックナットを外します。

次にフライホイールプーラーを使ってフライホイールを外すのですが、これが大変です。
キタコのプーラーです。

M27 P1.0 逆ネジのアダプター?部分をねじ込み、十字の本体をアダプターにねじ込みます。


これで準備完了。
自分は右利きなので、フライホイールを外すためには左手でユニバーサルホルダを保持しながら右手でプーラーの右側を持って下方向に力を入れることになります。
後は気合い一発!!うりゃっ!!とやれば外れるわけですが、これがかなり力が必要です。
今回は別宅で作業しておりまして、レーシングスタンドがありません。
サイドスタンドで停車しているので当然車体は左側に傾いています。
ただえさえメチャメチャ固いのに工具に真上から力を入れにくい体勢での作業になるのでなおさらです。
もう、必死のフルパワーで何とか外しましたw。
外れればこっちのもの。全波整流化の成功は保証されたようなものです。

位置決めの半月キーです。失くさないように。

こちらはステータコイルの位置決めマークです。復元するときはこの位置に戻します。

3本のプラスネジで固定されているだけなので簡単に外せます。
2 ステータコイルの加工
2.1 配線の色と名前
いよいよ核心です。
何があっても自己責任でイケる人は先に進みましょう。
そうでない人は引き返すなら今です。
ステータの表、裏です。信号ラインの名前を入れてみました。


配線の色と信号を書き出すとこうなります。
黄 :ライティング系の出力
ピンク:チャージング系の出力
黒 :チャージング系の-
黒/赤:エキサイタコイルの+
黒/白:エキサイタコイルの-
2.2 黄色線の切断
まず、黄色線の保護チューブをずらすと[A]のあたりでこんな感じになっていますので、半田を溶かして外します。
「切断」と書きましたが、「半田を溶かして外す」って感じです。

黄色線のコイル側がこんな感じになりますので、絶縁処理をしっかりしておきます。

ピンボケですがこんな感じ。熱収縮チューブで絶縁しました。

2.3 黒線の切断
次に[B]のあたりで黒線を切断します。
間違って黒/白線を切断するとエンジンが掛からなくなります。
試したわけでは無いですが、理屈的に間違いないと思います。
切断した黒線の端子側を絶縁処理します。

2.4 黄色線と黒線を接続
こんな感じでつなぎます。
チューブで見えませんが、ちゃんと半田付けで接続しないとダメですよ。

これでGNDに落ちていた黒線をGNDから切り離し、これまで捨てていたマイナス側の電力を黄色線に供給する接続になりました。
全波整流用の加工が完了です。
最後に黄色線のコイル側が遊ばないようにタイラップで固定して完了としました。

ステータコイルから生えている線は4極コネクタにつながっています。
これを整理すると↓となります。
変更前 変更後
ニュートラル ニュートラル
チャージング系出力(+) チャージング系出力(+)
ライティング系出力 チャージング系出力(-)
エキサイタコイル出力 エキサイタコイル出力
後は車体に取り付けてこの作業は完了です。
メインハーネスの加工はまた別の記事で。
とりあえずこんな感じということで。

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ここしばらく進めていたKSRの全波整流化が完成したので記録に残しておこうと思います。
KSRの全波整流化はすでにたくさんの記事がアップされています。
今更感もありますが備忘録として写真多めでやってみます。
まず、そもそもなぜ全波整流化するか?という点から整理します。
ぶっちゃけ全波整流化で発電量を増やしたいわけなんですが、最大の目的は暗いヘッドライトを何とかしたいということですね。
あとはUSBの電源ポートを使いたいっていう感じですかね。
ヘッドライトの光量アップはすべてのKSR乗りの悲願といっても良いでしょう。
USB電源は無理に全波整流しなくても使えるのかもしれませんが…
ちなみにノーマルのKSRはヘッドライト、メータ照明、テールライトは発電機からの交流電圧で光っています。
ウインカー、ブレーキランプ、ニュートラルランプ、オイル警告灯、水温警告灯の電源は直流なんですが、この直流は発電機のライティング系とは別の出力(充電系=チャージング系)をレクチファイヤで整流し、バッテリで12Vにレギュレートすることで得ています。
レクチファイヤの出力はバッテリが無いと17V近くまで上がるらしいのですが、これをバッテリで12Vに安定化させているのでバッテリの負担が大きく、死亡しやすいわけです。
バッテリ死亡状態で社外のタコメータなど12Vの電装品を装着するとすぐに壊れるというのは電装品に17Vが掛かるからです。
KSR1/2が最後までメンテナンスフリーのバッテリーを採用しなかった(できなかった)のはこの構成によるものと思われます。
さすがにカワサキもユーザーに対して申し訳ないと思ったのかどうなのか、対策レギュレータなるものをリリースしていました。
ワタクシのKSR2は?といいますと、昔ボルトンというショップから発売されていたレギュレータを取り付けた上で、メンテナンスフリーバッテリーに交換しています。
この辺りは以前記事に書いたかもしれません。
結局、ボルトンのレギュレータで充電電圧は13V程度で安定するようになりましたが、充電系は半波整流のままでライティング系は交流のままとなっています。
ヘッドライトを明るくしようと思ったとき最近ではLEDバルブへ交換することが一般的と思いますが、交流電源に対応したLEDバルブはえらい高価で選択肢も少ないんです。
最近ツーリングマシンとして運用しているので明るいヘッドライトとスマホの充電機能があると嬉しいよねってことで全波整流化をやってみることにしました…
というのは表向きの理由で本当はただやってみたかったから。
それだけですw
いつもの通り前置き長くてすみません。
作戦は以下。
1.ステータコイルは車体についているやつを加工する
2.格安で流通している中華全波整流用のレギュレータを購入する
3.メインハーネスはオークションで購入した中古品を全波整流用に改造する
ステータコイルの加工も上手くやればノーマルに戻せるのかもしれませんが、基本ノーマル戻しは考えないつもりです。
ノーマルに戻さないのであればメインハーネスも車体についているのを加工してもいいのですが、不動期間を極力少なくするためにハーネスは加工したものを準備して車体にフィッティングさせることにしました。
方針が決まったのでさっそく作業に取り掛かります。
ここからは作業の流れにそって書きますが、今回はまずはステータコイルの加工までとします。
1 フライホイールとステータコイルの取り外し
今回の一連の作業の中で一番面倒なのがフライホイールを外してステータコイルを取り出すところかもしれません。
まずは14㎜のレンチと回り止めのユニバーサルホルダを使ってフライホイールのロックナットを外します。

次にフライホイールプーラーを使ってフライホイールを外すのですが、これが大変です。
キタコのプーラーです。

M27 P1.0 逆ネジのアダプター?部分をねじ込み、十字の本体をアダプターにねじ込みます。


これで準備完了。
自分は右利きなので、フライホイールを外すためには左手でユニバーサルホルダを保持しながら右手でプーラーの右側を持って下方向に力を入れることになります。
後は気合い一発!!うりゃっ!!とやれば外れるわけですが、これがかなり力が必要です。
今回は別宅で作業しておりまして、レーシングスタンドがありません。
サイドスタンドで停車しているので当然車体は左側に傾いています。
ただえさえメチャメチャ固いのに工具に真上から力を入れにくい体勢での作業になるのでなおさらです。
もう、必死のフルパワーで何とか外しましたw。
外れればこっちのもの。全波整流化の成功は保証されたようなものです。

位置決めの半月キーです。失くさないように。

こちらはステータコイルの位置決めマークです。復元するときはこの位置に戻します。

3本のプラスネジで固定されているだけなので簡単に外せます。
2 ステータコイルの加工
2.1 配線の色と名前
いよいよ核心です。
何があっても自己責任でイケる人は先に進みましょう。
そうでない人は引き返すなら今です。
ステータの表、裏です。信号ラインの名前を入れてみました。


配線の色と信号を書き出すとこうなります。
黄 :ライティング系の出力
ピンク:チャージング系の出力
黒 :チャージング系の-
黒/赤:エキサイタコイルの+
黒/白:エキサイタコイルの-
2.2 黄色線の切断
まず、黄色線の保護チューブをずらすと[A]のあたりでこんな感じになっていますので、半田を溶かして外します。
「切断」と書きましたが、「半田を溶かして外す」って感じです。

黄色線のコイル側がこんな感じになりますので、絶縁処理をしっかりしておきます。

ピンボケですがこんな感じ。熱収縮チューブで絶縁しました。

2.3 黒線の切断
次に[B]のあたりで黒線を切断します。
間違って黒/白線を切断するとエンジンが掛からなくなります。
試したわけでは無いですが、理屈的に間違いないと思います。
切断した黒線の端子側を絶縁処理します。

2.4 黄色線と黒線を接続
こんな感じでつなぎます。
チューブで見えませんが、ちゃんと半田付けで接続しないとダメですよ。

これでGNDに落ちていた黒線をGNDから切り離し、これまで捨てていたマイナス側の電力を黄色線に供給する接続になりました。
全波整流用の加工が完了です。
最後に黄色線のコイル側が遊ばないようにタイラップで固定して完了としました。

ステータコイルから生えている線は4極コネクタにつながっています。
これを整理すると↓となります。
変更前 変更後
ニュートラル ニュートラル
チャージング系出力(+) チャージング系出力(+)
ライティング系出力 チャージング系出力(-)
エキサイタコイル出力 エキサイタコイル出力
後は車体に取り付けてこの作業は完了です。
メインハーネスの加工はまた別の記事で。
とりあえずこんな感じということで。

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